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◆◆ 歯医者さんの繁盛便り《今月の“歯っ”とするお話》
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2016/6/14発行 Vol.57
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○震災の教訓
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4月14日に発生した熊本地震で、被害に遭われた方々へ心からお見舞い申し
上げます。
地震以降、さまざまなニュースが報じられてきましたが、こんな話題もあり
ました。
熊本地震後、熊本県内の災害拠点病院となっている熊本市中央区の国立病院
機構熊本医療センターにおいて、肺炎による入院患者数が前年同期と比べて
倍増していることが分かった、というものです。
西日本新聞の取材によるこのニュースは、さらに市内東区の熊本赤十字病院
においても肺炎患者が約20%増加していることを指摘。うち、地震後、熊本県
外に転院後に死亡した男性(87)は誤嚥性肺炎だったと確認されたと報じてい
ます。
報道によれば通常、冬に多いとされる肺炎の発症が4月から5月に増加してい
る原因として「避難生活を続ける中で口腔ケアが十分にできず、体力や抵抗
力が低下した高齢者が誤嚥性肺炎を起こしている可能性がある」とのことで
した。
自然災害は、私たちにさまざまな教訓をもたらしてくれます。
このニュースも高齢者の口腔ケアと誤嚥性肺炎の関連性について、あらため
て教えてくれたような気がします。
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◆ 今月のヒント
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患者様向け情報発信のヒントをお届けいたします。ご活用ください。
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震災と誤嚥性肺炎の関連性は、1995年1月に発生した阪神淡路大震災のときか
ら指摘されていました。
神戸常盤大短期大学部の足立了平教授(口腔保健学)によると、このときの震
災関連死921人のうち約24%を肺炎が占め、その多くが誤嚥性肺炎とみられる
とのことでした。
また5年前の東日本大震災の際も、その危険性が叫ばれたことは忘れてはなら
ない教訓のひとつです。
いつ起こるやもしれない大地震。万一のときの命を守る備えのひとつとして、
ぜひ患者さんとそのご家族に「水がない場合」や「歯ブラシがない場合」な
ど、災害時における口腔ケアの方法をアドバイスしてあげてください。
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○ひと口ギャグ
医療漫談
「高齢者の口腔ケアがゆき届かず誤嚥性肺炎になると咳き込んで言葉が発し
にくくなる。“歯”という言葉すら云えなくなる。これを医学会では
“歯云えん”という」
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発行・編集 株式会社フューチャーワークス 市川 浩
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